受験勉強が続く中で、つらいと感じる瞬間は誰にでもあると思います。私は理系科目が苦手なのに医学部を志望しています。何度も心が折れそうになる中、前を向いて勉強を続けるには、自分に合った工夫が欠かせません。実践している方法を紹介します。(高校生記者・しゃんず=2年)
【1】医療に関するドラマや本を楽しむ
勉強の合間に、医療ドラマや医師のドキュメンタリー、医学生や医師が発信するYouTubeチャンネルなどを見ています。中でもドラマは「合計で25時間勉強したら1本見てOK」とルールを決めて、ご褒美として楽しんでいます。YouTubeは気になる動画を見つけたらリストに入れておいて、スキマ時間に少しずつ楽しんでいます。

面接や小論文に生かせるような医療関連の書籍にも触れています。最近は医療の現状や現場の声をまとめた『医師になるには』(辻村達哉著、ぺりかん社)や『未来の医療で働くあなたへ』(奥真也著、河出書房新社)などを読みました。ノンフィクションだけでなく、エッセーや小説調の読みやすいものもおすすめです。
【2】合格体験記や医学生のVlogで学ぶ
塾の合格体験記や学校の進路通信で、医学部に合格した先輩の体験談を読んでいます。医学部の受験は、一般的な入試とは違う部分もあります。だからこそ、同じ目標を持つ先輩たちの体験談から得られる学びはとても多いです。
医学部生のVlogでは、勉強法やモチベーション維持の工夫、1日の過ごし方などを参考にして、時間の使い方などをまねしています。勉強スケジュールをそのまままねるだけで、うまく時間を使えます。大変な中でも前に進んだ姿を見ると、自分も頑張ろうと思えます。

【3】大学を見に行って気持ちを高める
医学部のオープンキャンパスに参加した結果、「ここで学びたい」という明確な目標ができました。「DNA」をテーマにした模擬講義を受けたり、ドクターカーを見学したりして、医学生としての自分をリアルに思い描けるようになりました。
在学生とも話せました。受験勉強について聞けて、苦手科目の克服方法やメンタル維持についてアドバイスをもらえました。
オープンキャンパスを通して「雰囲気や人の魅力を感じられる大学で学びたい」と思える志望校を見つけたので、モチベーションの向上につながりました。「とにかく医学部に入れさえすればいい」とは思わなくなりました。
【4】医師として働く未来を想像する
「白衣を着て、どんな診療科で、どんな患者さんと関わっているのか」――そんな未来を想像すると、目の前の努力に意味が生まれます。看護師や薬剤師と連携して、それぞれの得意分野を生かしながら患者を助ける「チーム医療」の一員として働く自分を思い描くと、「あと少し頑張ろう」と思えるようになります。
医学部受験は長くて厳しい道のりかもしれません。でも、目指すものがあるからこそ、踏ん張れる力が湧いてきます。自分だけのモチベーションの源を見つけながら、一歩ずつ夢に近づいていきたいと思います。
- しゃんず 東京都在住。家庭科部所属。趣味は料理、バレエ、ピアノで習い事として通っている。大のディズニー好きで週末に映画を見るのが最近の楽しみ。